あの愛をもう一度。其の四
〜夜空に尽きぬ思い出〜
肉芽はすでに尖っていた。其れをえぐり出すように刺激してやると、
「ああああああ、あんッ」
今度は良子はペニスを吐き出し、髪を振り乱して身悶えていた。
太腿の内側がブルブルと震えている。
「良子ちゃん、いいか、ハメるぞ」

私は良子から離れ、体を起こした。そして後背位で挿入し、
ペニスの先でたっぷり良子のオマンコを堪能した。

膣穴が広がり、ペニスをしっかりと咥えこんでいる。
ベニスを出し入れするたびに、小陰唇がベニスに纏わり付き、
粘肉が出たり入ったりする。そんな隙間から愛液があふれてきた。

そんなとき、ふと背中に指を這わせてみると、良子の膣がキュツと締まった。
良子には背中にもそれなりの性感帯があるらしい。私は体を曲げて、
良子の背中の窪みに舌を這わせていった。

「あひっ、あひあひぃぃ・・・」
やたらと長い艶声を吐き、良子が後頭部をこちら側に落とした。
膣をキュッキュッと心地よく収縮させながら・・・。
「ひっいい、ひっいいい、いいっ・・・」

私は良子の背中を刺激しながら鋭いピストンを続けた。肉と肉とがぶつかり合う音がする。
湿ったピチャピチャというスケベそうな音が響く。それに良子の艶声が重なる。

暫らくすると、ほとんど間を置かずの挿入だったのに、射精感がグイグイと込み上げてきた。
良子もそろそろイキそうな気配を見せている。

膣の奥がぶわっと広がって来た。収縮ではなく、膣肉全体が痙攣を起こし始めた。
「イク・・・イクイク・・・お、おじさん、わたし、ああっ、ダメ・・・イクーッ」

そうして、私は其の夜二発目の射精を終えたと同時に、良子は体を突っ張らして
ピーンと伸ばすと「あああ〜っ」と長い溜め息をついて、
其のまま布団の上に体を沈めていった。

「ああ、気持ちよかった」
「おれもだ」
「わたしたちエッチの相性が良いのかもね」
良子がはにかむように笑った。

「ああ、気持ちよかった」
「おれもだ」
「わたしたちエッチの相手がいいのかもね」
良子がはにかむように笑った。

それ以後私は、寄港するたびに良子を抱いていた。
一日に三回も放出させられた事も有った。野外でハメあった事もあった。
そうこうしているうちに、ごく自然に良子を愛するようになった。

良子も私の事を気に入っているようだった。序に言えば、良子の父親も
私の事を大変気に入ってくれた。私は次第に結婚を意識するようになり、
ついにプロポーズをした。

プロポーズの場所は、親父さんの船でだった。もちろん親父さんは乗っていない。
停泊している船に深夜乗り込み、デッキでセックスした後だった。
夏の蒸し暑い時だったから、随分と気持ち良いセックスだった記憶がある。

行為が済んだあと全裸のままデッキに寝転がり空を見ていた。
今住んでいる処では決して見る事の出来ない満天の星空だ。

良子は私のペニスに指を絡めながら、「なんか幸せよね」と言った。
良子はとても穏やかな顔をしていた。その顔を見て私は結婚を決意したのである。

「良子、結婚しょうか!」
「えっ、結婚?」
「ああ、結婚だ。俺の嫁に成れ」
良子は嬉しそうだった。しかし結論を急ぐことはない。
返事を聞くのは、次の寄港の時までと言う事にした。

その三ッ月の間に良子と私の身辺に色々な事が起きた。
まず良子の母親が倒れた。脳溢血らしく寝たきりを余儀なくされた。
良子は着きっきりで、母親の看病をすることになった。

そして、私は船員を辞めざるを得なくなった。
足を怪我してしまったのだ。完治する見込みはもうない。
船の上を足を引きずって作業するなどとても出来るはずもなく、
第一他の船員に迷惑が掛かる。それで私は潔く船から降りる事を決意し、
田舎で実家の百姓を手伝う事にしたのだ。

「そう、辞めてしまったの・・・」
良子は私が船員で無くなった事を酷く落胆した。良子が私のプロポーズを、
結局は受け入れなかったのは、母親を看病する為には船員という私の仕事が
相応しかったのである。船員で無くなりましてや親元を離れて百姓になるなんて
とても出来る筈ではなかったのだ。
「いっしょにおれの田舎に来てほしい」
私の言葉に一瞬、良子は顔を曇らせた。しかし、直ぐに「ええ」と頷いた。
確かに頷いたのだ。なのに・・・。

列車の窓から良子が見えなくなり、やがてホームも消えていった。
座席につくと、私は目を閉じた。いやが上にも良子の顔が浮かぶ。
切なげに顔を歪めて悶える良子の姿が目に浮かぶ。

「もう終わったんだ」
無理矢理に消そうとするが、良子は消えてくれない。
私は良子をこよなく深く愛していた事を今さらながら痛感していた。

背中に舌を這わせると、キュッキュッと膣をヒクつかせていた良子。
長い髪を振り乱して、せつなそうな顔をして、「イク、イク」と泣き叫んでいた良子。

「チンコ、デカクなってきた」と女とは思えない言葉を、平気で口にしながらも、
そのチンコを入れると実に女っぽく淫らに成っていった良子。

わたしのペニスを美味しそうに頬張り、幾度となく精液を飲み込んで呉れた良子。

危険日であっても避妊具を嫌い、
「結婚するまではちゃんとしておいた方がいい」と言って、
無理矢理納得させた事もあった。私の生涯でも忘れられない女だった。

良子と別れたあと、私は一旦田舎に帰ったが、すぐにまた都会へ出て来た。
半月ほどして弟夫婦が突然実家を訪れ、稼業を手伝うと申し出てきたからだ。
どうやら経営していた会社を倒産させてしまったらしい。

今、私は都会の片隅で老妻と二人でぼんやりと暮らしている。
船の事は思い出さないようにしているが、良子の事は時折り思い出す。
良子は今でもあの港町で暮らしているのだろうか。
誰かと結婚して、幸せに暮らしているだろうか。だとすれば、亭主になった男は、
良子の性感帯をきちんと愛してやっているのだろうか。
窓辺から夜空が見える、しかし、都会から見る星は数えるほどしか輝いていない。
END
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