若き日の放浪生活。其の四
◇浅草で出会った女◇

長野には、結局、一年ほど滞在していたでしょうか。
離れたのは別にこれといった事情も理由も有った訳ではありません。
私の放浪グセが出ただけの事でした。
ただ強いて理由をあげれば、さっちゃんの他にも、同じ仲居さんでしたが、
女が出来たために、ちょっと面倒くさく成ったのだと思います。

そこで、こっそりと店を辞めて、ひとまず松本へ出ました。
松本は、住むには実にいい街だと思いましたが、いかんせん長野と近すぎるので、
半年ほどで、こんどは愈々東京へと出たのです。たしか私が23歳の時でした。

足は自然と浅草へ向かっていましたが、他に知って居る所がなかったからです。
私が転がり込んだのは小さな大衆食堂でした。近くにはストリップ劇場が幾つもありました。
ロック座とかフランス座とか言った筈ですが、とれがどこだったはもう忘れました。

ストリップ劇場には、あしげく通いました。ストリップといっても、其の当時は、
今から考えると、実に上品なもので、もちろん、性器どころかヘアすらも見せません。
ですから、踊りが重要になって来る訳で、ストリッパーを踊り子と言うのです。

そういえばバタフライなどと言う言葉も聞かなくなりました。
今そんなものを付けて舞台にあがったら、ヤジどころではないでしょう。

いまから2、30年ほど前辺りでしょうか、ストリップが本番ショー専門だった時期があります。
つまり、お客を舞台にあげて、そこで踊り子と本番をやらせるのです。
私も、一度、本当なのかと見に行きましたが、さすがにこれは酷いと思いました。
これではもうショーでも何でもありません。

それでも、其の本番ショーが、一つ二つなら未だ許せましたが、殆どがそれなのです。
つまり、客は、他の客との本番を、次々と見せられると言う訳で、
これでもうストリップは終わったと思いました。

さて、何故、私がストリップのことを書いてるかというと、その踊り子のいわゆる
ヒモをやっていた事があるからです。

どこでそんな女と知り合ったかと言いますと、
私の働いていた食堂で、何度か顔を合わせたのです。
もちろん、ストリッパーであることなど知るはずもなく、
近くのキャバレーあたりのホステスだろうと思っていました。

ストリッパーというのも、あちこちの劇場を転々とするわけで、いわば流れ者ですから、
お互い、どこか通じるものがあったのでしょう。
ある夜、酔いつぶれた彼女をアパートまで送っていき、そのまま抱きつかれたのでした。
それでもまだその時は、踊り子とは知りませんでした。部屋はいたって質素でした。

ストリッパーというと、何やら派手で、そして、淫乱といいますか、
好きモノのような女をつい想像してしまいますが、決してそんなことはありません。
とくに当時はまだ、露出も今ほどでもない時代ですから、
踊りが好きだとか、生活苦からそうなった女がおおかったようです。

彼女は芸名を“吹雪アカネ”と言い本名は祥子、昭和五年生まれの30歳。
九州筑豊の生まれで父は炭鉱夫だとい言っていました。
日曜日でした。ストリッパーの吹雪アカネは、まるで普通の会社員のように
盆休みだと言って、その月は休業中でした。やはり、それほど売れていない踊り子でした。
何時ものように日中、そのアパートに遊びにいった私は、
「祥子ちゃんはダンスも上手でこんなに綺麗なのに、どうして出番がないの。
 H芸能とうまくいってないの・・・」

Tシャツに短パン姿の祥子を見つめ、私は自分事のように、ぼやく声で訊ねました。
H芸能とは彼女が契約している、興行会社の名前です。
「うまく行くはずがないわよ!あたしのアソコを客に見せろ、
 見せないと絶対に売れないぞ、て言う奴らばかりなんだから!」
彼女は吐き捨てるような口調で言いました。

確かにその頃になると、
多くのストリップ劇場は段々と過激化し始めてきて、
卑猥なショーが増え、女のオナニー行為や性的行為を見せる、
全裸ストリップが関西方面から流行り始めて来ていたのです。

「あたしはね、ジプシー・ローズを尊敬しているんだ。見た事はないけど、
 彼女のアソコはとても綺麗だった、て噂があるんだよ・・・
 それはどうしてかと言うとね、どんなに親しくなったファンや恋してくれる人にも、
 女のこんな醜い部分は絶対に見せては駄目、見せれば幻滅する、
 女の肉体の美しさが消えてしまう。そんなモットーを彼女が守っていたからなんだって、さ」
それは吹雪アカネ自身の事でもありました。

恋人気取りの私は、アカネのステージは、何度もタダ見させてもらっていました。
彼女は観客の反応で、興に乗ればバタフライを外す事もありましたが、
けっして恥部は見せませんでした。帆立貝上のビーナスの絵画のように、
躍りながらも巧みに片手で恥部を覆い、どんな激しい踊りの最中でも
陰毛すら覗かせなかったのです。

確かにストリッパーのアカネは、聖女ように身持ちの堅い女性でした。
私がアパートに入り込むようになって3ケ月経ってもキスをさせてくれたのは。
最初に酔った彼女をアパートに送り届けた時の一回だけでした。

「女のアソコは醜いものなのかなぁ・・・」
「そうよ、フフフ、見た事あるでしょ?何か嫌らしいだけじゃない!」
「バカ言うなよ、俺はまだちゃんと見たことなんて、ないよ・・・」
私は何も知らない童貞男を演じていました。
その私を悪戯っぽい眼差しで彼女が見つめるから、柄にもなく頬を赤らめて了いました。

「博ちゃんて、純情なんだ・・・」
祥子が笑いながら立ち上がり、開けっ放した窓に歩み、ガラスを閉じて、
どうしてかカーテンも閉めました。
その窓を背にして、腕を組み、やや股を開いて立っていました。

「見る?」笑顔ですが、その表情は妖しく強ばり、声も囁くように低かったのです。
その祥子の意図を察して、私はカラダに震えがはしりました。
その震えを隠さず、頷きました。
「でもさ、今のあたしはアカネじゃないよ。祥子なんだ。
 だから、博ちゃんに見せるのは普通の女のオ・マ・ン・コ・・・」

言葉を区切って言い終わり、彼女は無造作に短パンのファスナーを下ろしました。
ショーのように腰をくねらせるでもなく、両手でそれを押し下げ、
現れた白いパンティも、風呂場に居るかのように脱ぎ下ろしました。

小さな三角形の陰毛。繊毛は薄く淡く、明らかな恥丘の割れ目を縁取っていました。
欲望の前に、私は彼女の恥部の美しさに、呆然として見とれておりました。
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