あの愛をもう一度。其の二

〜酔って候！〜

船員の一人が、姉から親父さんと漁船の名前、
そして所属の漁業組合を聞き出すと、部屋を飛び出していった。
「今、確認を取りに行ったから。大丈夫、直ぐに見つかるよ」

暫らくして、船員が戻ってきた。
「戻ってる。あんたの親父さん、こりゃダメだと思って、
　出港してすぐに港に引き返したらしい。無事だ。ピンピンしてるぞ」
「入れ違いになったんだな」
姉は弟を抱きしめて泣いていた。

私が助けたと言う事で、私が彼女達を家まで送り届ける事になった。
道すがら、私は改めて自己紹介をした。姉の方は良子と言った。
「あんたは命の恩人だ」
「本当にありがとうございました。もう何と言っていいのやら」

良子の両親に手厚いもてなしを受け、私はその夜、
両親の強い勧めで良子の家に泊まる事と成った。

本船は丁度二日間の予定で、その港に停泊する事に成っていたので、
私には特に問題は無かった。

良子の父親はさすがに漁師とあって豪快な飲みっぷりだった。
仲間内では酒豪で通っている私でさえ太刀打ち出来ない。
たらふく酒を浴び、深夜一時近くに成って漸く解放された時には、
私は立っのがやっとの状態だった。

ふら付きながら良子に寝室に案内してもらい、布団の中に入った。
久し振りのフカフカの布団だったので直ぐに眠れると思ったが、
中々眠れなかった。酔いが下半身を妙に刺激するのだ。

船員の全てがそうではないが、船員は長い間、女と全く接触できない
生活をしているため、港に寄る度に女を買ったりした。
あるいは港々に特定の女をつくり、溜まりに溜まっている欲求を吐き出す。
私も所々の港に馴染みの女はいたが、あいにく其の港には居なかった。

目を閉じてみたが、やはり眠れない。
ペニスに手をやると、燃えるように熱く、そして硬く勃起していた。
（こりゃあ、一回出さないと収まりそうにないな。ちょつと調達してくるか）

他人の家なので夜中に抜け出すのは憚れる。
しかし、寝付けないのだから仕方が無い。

私は布団から起き出し、部屋を出た。酔ってはいたが、もうふらつくという言う事は無かった。
すると、廊下を歩いてくる足音がする。角から人影が見えた。良子だ。

「あ、おじさん」
私は、「まずい」と思いながらも、極めてさりげなく「やぁ」と片手をあげた。
「便所？」
「あ、ああ、よくわかったな」
「こんな夜だったら便所に決まってるわよ」
「そうだな」

私は良子に案内されて便所に入り、したくも無い小便をした。
女を買うのは明日にしよう。出鼻をくじかれ、私は諦め部屋に戻った。
と、布団の上に誰かが居る。電気をつけると良子だった。

「良子ちゃん・・・」
「おじさん、どこに行く積りだったの？便所なんかじゃなかったでしょ」
「えっ・・・！？」
「わたし知ってるわよ。女を買いに行くつもりだったんでしょ」
「・・・！？」
「この辺りにも船が寄港するたびに、船員があふれているわ。
　彼らが真っ先に向かうところが、遊郭なんだものね」
「い、いゃ、おれは・・・」
「無理しなくたっていいわよ。おじさんの顔に、したいってちゃーん書いてあるもの」
私はたじたじだった。

「それに勃ってたのが何よりの証拠」
「立ってた？」
「チンコよ。パジャマに大きなテントが出来てたもの。
　こんな夜中に朝立ちって筈も無いでしょ。ほら、まだ勃ってる」
良子が私の股間をアゴでさした。

「・・・！？」
と、良子が布団の中に潜り込んだ。私はまさかと思った。
しかし、良子の行為は、その「まさか」だったのだ。

「助けてくれたお礼って訳じゃないけど、していいわよ」
良子はそう言って、布団の中でモゾモゾしている。布団の端から手が出ていた。
其の手には寝間着が握られていた。
良子は布団の中で、下着だけの格好に成って居たのだ。

「さあ、早く」
「し、しかし・・・」
「わたしの体に興味ないの?」
「そ、そんなことはないよ」
良子は美人だ。当時、大フアンだった南沙織にどことなく似ている。
しかし、だからと言って・・・。
「だったら・・・早く」

再び布団から手が伸びてきた。今度はその手にパンティが握られていた。
全裸になったのだ。私は生唾を飲み込んだ。
ペニスははち切れんばかりにおっ立っている。下半身がムズムズしてきた。

「おじさん、素直になりなさいよ。ほら、さっきよりチンコが大きくなってるじゃないの。
　したいんでしょ」
良子が歯で下唇を噛み、艶かしい視線を送ってくる。もう我慢できない。
「い、いいのか？」
私は一歩、良子に近づいた。

「さっきから、いいって言ってるでしょ」
やや語気を荒げて、ガバッと布団をめくり上げた。
良子の体に豊満な乳房が見えた。細長い乳首が屹立している。